自作ドローン

ドローンパーツ解説!フライトコントローラー

フライトコントローラー(Flight Controller)とは、ドローンの飛行制御を担当するコンピューターのことを指します。

フライトコントローラーは、機体の姿勢制御、モーターの回転数制御、GPS情報を用いた位置情報の制御、リモコン信号の受信・送信、テレメトリー情報の収集・送信などの機能を持ち、ドローンの飛行を制御するために欠かせない部品のひとつです。

FCは、主にマイコンボードやセンサー、回路などから構成され、オープンソースのファームウェアを使用することが一般的です。

主な機能

姿勢制御機能

機体の角度や位置を制御するためのセンサーデータを取得し、制御アルゴリズムに基づいてモーターの出力を調整して、機体の安定性を維持します。

フライトモード機能

機体の操作性を向上させるために、複数のフライトモードを切り替えることができます。例えば、Angleモードでは、機体が水平に保たれるように自動的に角度制御を行います。Airモードは、高速で自由な飛行を可能にするため、より大きな角度と高い反応速度を持っています。

受信機能

送信機からの信号を受信して、操縦信号として解釈します。

OSD機能

ゴーグルやディスプレイに、現在の機体情報(バッテリー電圧、高度、速度など)を表示することができます。

センサー機能

フライトコントローラーは、加速度計、ジャイロスコープ、地磁気センサーなど、多くのセンサーを搭載しており、飛行中の機体の状態を正確に把握することができます。

Blackbox機能

機体の各種情報(センサーデータ、モーター出力、受信機からの信号など)を記録し、問題が発生した場合に原因の解析を行うためのデータを提供します。

製品仕様の見方

フライトコントローラーの製品仕様には専門用語が多用されており、何を表しているのかわからないということがあると思います。

そこで、下記、Foxeerの製品をもとに、主要な項目について、各仕様を解説してみたいと思いますので、購入の際の参考にしていただければと思います。

Foxeer F722 V4 Mini Flight Controller 20*20mm BetaFlight

CPU

CPUSTM32F722RET6

マイクロコントローラーの種類。「STM32F722RET6」とは、STMicroelectronicsが提供するチップで、STM32F7シリーズを表しています。「F3」より「F4」、「F4」より「F7」が高性能です。

供給電源

Power Supply2~6S Lipo (6.5V~30V)

フライトコントローラーに供給できる電源の範囲を表しています。

フライトコントローラーの電源の範囲を超えるバッテリーの電源供給があった場合、フライトコントローラーや接続された周辺機器にダメージを与えることがあります。また、過剰な電圧や電流は、電子部品の破損、熱ダメージ、短絡、火災などのリスクを引き起こす可能性があります。

BEC

BEC OutputDC5V/3A

フライトコントローラーがバッテリーから受け取った電力を他の機器に供給する機能です。レシーバーやカメラ、ビデオトランスミッター(VTX)、LEDライトなど、低電力の機器に電力を供給することができます。

OSD

OSDBF OSD

OSDとは、”On Screen Display”の略で、FPVドローンの飛行中に、ゴーグルやディスプレイに表示されるカメラからの映像に、機体の状況や設定値などの情報を表示する機能です。情報としては、バッテリー電圧・残量、飛行高度・速度・時間、GPS情報、フライトモードなどがあります。

BF OSDとは、Betaflightファームウェアに統合されたOSDであり、Betaflight Configuratorから設定することができます。

ブラックボックス

Black Box16M Flash Memory

フライト中のデータを記録し、後で解析するためのログファイルを生成する機能です。このログには、飛行中の各種センサーデータ、PID制御ループの応答、モーター出力、フライトモードなどの情報が含まれます。

Blackboxログは、フライトの詳細な分析に役立ちます。例えば、特定のフライト中に問題が発生した場合、ログを解析することで、問題がどこから発生しているかを特定することができます。また、PIDチューニングやフライトスキルの改善など、フライトのパフォーマンスを向上させるための情報を得ることもできます。

シリアルポート

UART4 Set

UARTとは、フライトコントローラーと周辺機器の間でシリアル通信を行うためのポートです。GPS、テレメトリ、OSD、Bluetoothモジュールなど、複数の周辺機器を接続するために使用されます。

ESCテレメトリー

ESC TelemetryRX4

ESCから、モーターの回転数、電流、電圧、温度などの情報をフライトコントローラーに送信するための通信機能です。これにより、フライトコントローラー側からESCに指示された動作が正常に実行されているか、モーターやバッテリーなどの状態をリアルタイムに監視することができます。

RX4とは、UARTポートのうち、RX4に接続されていることを意味します。

ブザー

BuzzerYes

Buzzerは、バッテリーの電圧や警告メッセージなど、飛行中に発生する様々なイベントを通知するために使用されます。例えば、バッテリーの電圧が低下した場合には、ブザーが鳴り、パイロットにバッテリー残量の警告を知らせます。また、ドローンがクラッシュや紛失した場合に、その位置を特定するために使用されることもあります

Smart Audio

Smart AudioYes

Smart Audioは、FPVドローンのビデオトランスミッター(VTX)の設定をリアルタイムで変更するための機能です。VTXにSmart Audioが搭載されている場合、フライトコントローラーからVTXに信号を送ることで、VTXの周波数、出力パワー、チャンネル選択などの設定を変更できます。

これにより、ゴーグルに表示されるメニューを送信機で操作し、ドローンの周波数を変更することができるようになるので、とても便利です。

LED

LED1 Set 2812 LED

フライトコントローラーにLEDストリップを接続するためのポート。

「1 Set 2812 LED」とは、2812 LEDを1セット制御できることを表しています。2812 LEDは、RGB LEDの一種であり、1つのLEDに赤、緑、青の発光ダイオードが搭載され、各色を組み合わせて多彩なカラーの光を表現できることが特徴です。

このLEDストリップは、航空機の状態を知らせたり、視覚的に航空機を識別するために使用されることがあります。

取り付け穴

Mounting Hole20X20mm,Φ4mm

フライトコントローラーを取り付けるための穴の位置やサイズのことです。フライトコントローラーはドローンのフレームに取り付けられますが、フライトコントローラーには普通、穴が開いていて、そこにビスやネジを使って固定することができます。Mounting Holeのサイズや位置は、ドローンのフレームによって異なりますので、フライトコントローラーを選ぶ際には、フレームとの相性を確認する必要があります。

20×20mmは、FCの基板にある4つのあなの位置が20mm×20mmのサイズであることを示しています。Φ4mm / M3は、マウント穴のサイズを示しており、4mmの直径でM3サイズのねじを使用することを意味しています。

サイズ

Size26X26mm

フライトコントローラーの縦、横のサイズを表します。こちらも、フレームとの相性を確認する必要があります。

フライトコントローラー購入時の注意ポイント

  • フレームに取り付け可能か?(フライトコントローラーのサイズ、ねじ穴のサイズや位置)
  • 供給電圧が、使用するバッテリーの電圧範囲内か?
  • OSDが内蔵されているか?
  • SmartAudio機能があるか?
  • BECの有無。(ESCにBEC機能があれば、FCになくてもOK)