VTXとは、Video Transmitterの略で、FPV(First Person View)ドローンで使用されるパーツです。目視飛行なら不要なパーツです。
VTXは、カメラからの映像信号を無線で送信し、FPVゴーグルやモニターに表示する役割を果たします。
映像信号は、一般的に5.8GHzの無線周波数帯域で送信されますので、取り扱うには、アマチュア無線4級以上の資格と開局申請が必要となります。
主な機能
ビデオ信号送信
カメラからのビデオ信号をゴーグルやモニターの受信機に無線で送信します。
周波数とチャンネル選択
VTXで利用する5.8GHzの無線周波数帯域では、Aバンド(Band A)、Bバンド(Band B)、Eバンド(Band E)、Fバンド(Band F)、Rバンド(Band R)など、複数のバンドに分かれており、それぞれ異なる周波数範囲を持っています。
各バンドには、それぞれ8つの使用可能な周波数が決められており、その周波数をチャネルと呼びます。
複数人が同時にFPV飛行を行うためには、各自がVTXのチャネルを混信しないように設定する必要があります。
送信出力調整
送信するビデオ信号の出力を調整することができます。一般的に、送信出力はmW(ミリワット)単位で表され、低い出力では短い距離での送信が可能であり、高い出力ではより長い距離での送信が可能です。
送信出力は、25mW/100mW/200mW/350mWなど選択出来るようになっていることが多いですが、送信出力が大きければ良いというわけではありません。屋内で高出力を設定すると、逆に壁に電波が跳ね返り画像が乱れることもあります。
また、この送信出力が高いほど、VTXは発熱しやすくなりますので、注意が必要です。
ドローンレースでは、通常、200mWが使用されます。
製品仕様の見方
VTXの製品仕様には専門用語が多用されており、何を表しているのかわからないということがあると思います。
そこで、下記、Foxeerの製品を例として、主要な項目について、各仕様を解説してみたいと思いますので、購入の際の参考にしていただければと思います。
Foxeer Reaper Nano 5.8G 40CH 350mW 1g Tramp VTx
周波数チャンネル
Channels | 40CH |
設定可能な周波数チャンネル。

上の表は、当製品仕様に添付されている周波数表です。
バンド数5×チャンネル数8=40CHの設定が可能となっています。
ただし、日本で使用可能な周波数は決められており、自由に設定してよいというわけではありません。
通常は、下記3つのチャンネルの中から設定します。
- Band E – CH1 (5705 Mhz)【E1】
- Band F – CH1 (5740 Mhz)【F1】
- Band F – CH4 (5800 Mhz)【F4】
送信出力
Power | 25mW/100mW/200mW/350mW |
送信するビデオ信号の送信出力を表しています。
25mW/100mW/200mW/350mWとは、記載された送信出力への設定変更が可能であることを表しています。
電力消費量
Consumption | 340mA @ 350mW |
VTXが消費する電力量を表しています。
340mA @ 350mWとは、送信出力350mWの状態で、340mAの電流を消費するという参考値が記載されています。
VTX購入時の注意ポイント
VTXに関しては、他の機器との相性などは特に気にする必要はないと思います。僕が調べた限りでは・・・
ただ、あれば便利というのは、SmartAudio(スマートオーディオ)機能ですかね。
個人で飛ばすだけならあまり気にする必要は無いかもですが、レースなど複数人で飛ばす場合は、周波数をプロポから変更できるSmartAudio(スマートオーディオ)機能があると便利です。この機能を有効にしたい場合は、FCやファームウェアも対応しているか確認する必要があります。
あと、何気に一番気にしないといけないかもしれないのが、VTX系統図の有無ですかね。
このVTX系統図は、開局申請の際に必要になるのですが、日本のショップで購入する場合は、だいたい付けてくれますが、海外のショップで購入する場合は付いてきません。
では、ない場合どうしたらよいのかと、ググってみると、こちらの戸澤さんのところで入手すべしとでてきます。それ以外の選択肢が見つけられなかった。。
今のところ、僕はまだこちらに依頼したことはなく、日本のショップで購入するようにしてますが、いづれお世話になるかもしれません。